
1)平成12年7月15日
テーマ:ひきこもる若者たち
講 師:宮西照夫(和歌山大学保健管理センター)
参加者:43名
連続講座1回目
和歌山大学でl 8年間ひきこもりの学生たちと関わってこられた宮西先生は、
実例を提示しながらひきこもりのようすをお話しされました。
前半の10年問は選択的ひきこもり、後半の8年間は社会全体からのひきこもりが目立ち、
学生たちのひきこもり方が変わってきました。
選択的ひきこもりの一つである「スチユーデント・アパシー(学生無気力症侯群)」は、
受験戦争に過剰反応した優等生タイプに多く、「何をすべきか考える時間がなかった、考えるのが怖かった」と訴えます。
また「不安発作を示す不登校」は母子密着型が多く、母親から見放されることを、
自らの全存在を否定されるように感じ不安発作を示します。
最近増えている社会全体からのひきこもりのひとつは、場面緘黙症といい、
家では話ができるが外では喋れなくなる場合です。
それなりの成績を得るし、また話さなくても不自由を感じることもないので、周囲の者は話せないことを忘れます。
共通するのは、「友達がない、友達と話したことがない」ことです。
彼らとは、まず筆談とコンピューターで交流し、インターネットで仲間づくりをすると話し始めるようになります。
しかし安易にインターネットで心の内を開いてしまうとそれで終わってしまいます。
また長期間のいじめが加わると心が傷ついて、
同世代の人に対し、恐ろしい、話せない、仲間ではないという気持ちになってしまいます。
「外を歩いている人を殺したくなるときがある、殺人事件で殺された人はかわいそうではなく、
ただ運が悪かっただけ。殺人犯に共感し拍手を送りたくなる」と考える事もあります。
現在のひきこもりの問題点の一つに、ファミコン、パソコンがあり、ひきこもりの学生に与えるとその世界に入り込んでしまいます。
小さい頃遊ぴやゲームに夢中になったように、コンピユーターの仮想場面に夢中になり、
現実の場面で戦いや恋愛をしなくて仮想場面でそれを経験して満足してしまうからです。
便利なインターネットによらないで、お互い同じ空間を共有することが大切と話され、
ひきこもりを経験した学生たちによる仲間づくりで、ひきこもっている学生を誘い出すように試みているそうです。
ひきこもりに決定的な影響を与えるのは「いじめ」であり、長期化させるのは「コンピューター」と話されました。
幼年期や少年期に体験すべきことを親が奪っているのが現状です。
大人社会の姿が子どもをより悩ませていると言われた先生の言葉が印象的でした。
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