
3)平成12年9月30日
テーマ:日本のいじめ、世界のいじめーその違いと対応についてー
講 師:松浦善満(和歌山大学教育学部教授)
参加者:35名
松浦先生はいじめ問題に関して平成10年度に日本、イギリス、オランダ、ノルウエーの4カ国で国際共同研究を行い、
平成12年に発表された。今回はそのデータを基にお話しされ、
またオーストラリアから留学中のルークさんが自国で行われている生徒のみの仲裁の方法を報告された。
日本のイジメの特徴として、同一年齢で同性間で教室で起こっているのに対し、
他国では運動場で異年齢の男性でおこることが多く、日本では教室での人間関係が濃密になっている事を指摘。
また日本ではイジメが長期になることが多い。
イジメの被害を誰にも言わなかったのは4カ国中一番多く、イジメを止めてほしいのはオランダとの比較で、
日本では担任の先生・友人が多く、オランダでは校長・教頭・担任の先生が多く、友人は少なかった。
イジメを知られたくない人では日本は友人が最も多かったが、オランダでは誰に知られても良いが多かった。イジメの相談相手は4カ国中、日本は親は他国に比較して少なかった。
次に対応についてお話しされた。日本のイジメの対応は教師や行政が行っている事が多いが、
諸外国は子ども同士が行っているという大きな違いがある。その制度として、イギリスのチャイルドラインがあり、
またピアサポート(同輩による支援)、オーストラリアのピースメソッドやカナダのCAPシステムなどがあり、
子どもの問題は子どもによって解決すべきだという原理が貫かれている。
また学校の規模の違いもあるが、学校長のリーダーシップの発揮の仕方も違う事も指摘された。
ルークさんはピアメソッド(同輩による仲裁)を報告された。イジメがあった場合、
仲裁者(生徒から選ばれる)を中心に、加害者・被害者が結論が出るまで話し合い、
契約書を書き、イジメを解決するというシステムである。
次に参加者からも活発に意見交換が行われた。学校のシステムの問題として、
クラスがいつも同じで閉鎖的となってしまうとの意見が出た。
イジメの問題から文化やコミュニケーションの取り方にも話が広がり、
他国との暴力に対する対応の違いや校則の違いも取り上げられた。
また基本的な問題として、自己表現と他人との関係の取り方の大切さが指摘され、
幼児教育も含めて、自己表現のためのプログラムづくりも提案された。
![]()
Copyright (c) 2000 by kinokuni . All Rights Reserved.