第17回 平成13年3月17日
テーマ:不登校を考える
提言者:不登校の子どもを持つ親へのアドバイス 吉田 晃(当会代表)
不登校の経験から 永井契嗣(和歌山大学経済学部)
参加者:25名
吉田さんは不登校になる要因や不登校の子どもを持つ親へのアドバイスとして以下の
3つの見地から話されました。
第1に不登校になる要因を考える手段として、子どもの発達についてエリクソンの理
論を用いて説明されました。不登校の子どもを診るとき、発達段階のどの部分でつま
づいているのか考えます。不登校になる子どもは、心の発達の中で幼児期前期(1歳
〜3歳)に培われる「自立・自律心」と幼児期後期(3歳〜6歳)に培われる「自発性・
積極性・良心」の段階でつまづいている場合が多いと吉田さんはご指摘。
第2に不登校の子どもを持つ親へのアドバイスについて次の3点を挙げられた。親は
「誰が一番辛い立場なのか理解してあげることが大切。これは即ち子どもに共感する
こと」。次に、子どもが学校に行かない(行けない)期間は「子どもが自立心や自発
性などを養う心の成長にとって大切な時期。親はあせらずに子どもを少し休ませて、
彼らの心の成長を待つ。」最後に、子どもに対する親の接し方として「親はどんなこ
とがあっても子どもを見守っている」というメッセージを送ることが大切であり、学
校に居場所の無い子どもに家庭内での居場所を作ってあげることが大切だと話されま
した。
第3にしつけの問題に触れました。子どもが不登校になるのは家庭でのしつけがなって
いないという世論に対して「しつけは家庭内だけの問題ではない」と指摘なさいまし
た。「家庭がしつけをしない時代になっているのではなく、地域共同体が消失し、学
校が不信の目にさらされる中で、家族のみが子どもの最終責任者としての地位を強め
てきている。」としつけは誰がするのかという問題について分析し、地域・学校・家庭
が連携することの重要性を強調なさいました。
実際に不登校を経験した永井さんは、不登校に至った経緯について話されました。
永井さんは保育所に通っていた頃から「ああいう所には行きたくなかった」そうです。
理由は明確ではないが、感覚的に嫌だったと話された。その後小学生になり、不登校
にはならなかったけれど、「学校に行き渋ることがたびたびあった。学校に行ってみ
んなと同じ事をするのが嫌だった。」とご自分の学校嫌いを分析。中学校に進学した
時点で永井さんは学校に行くことを止めたそうです。不登校になった直接の原因は分
からないけれど、色んなことが重なって学校に行くのが嫌になったと当時を振り返っ
て話された。その後高校には進学せず中学生時の不登校期間を含めた約7年間家にひ
きこもったそうです。昼夜逆転の生活を送り、家の中で「色んな本を読みたおした」
と話された。みんなと同じことをするのがとても嫌だと感じていた永井さんがひきこ
もりの状態から脱したきっかけは彼の祖父の言葉だったそうです。「オーケストラを
見て御覧なさい。みんながみんなバイオリンを弾いていたらオーケストラにならない。
」この言葉をきっかけに集団の中で自分の役割を見出すことができたそうです。
吉田先生と永井さんの提言を終えた後、質疑応答では、なぜ不登校になるのか、その
原因や理由、また不登校をしている時子どもはどう感じているのか、参加者から質問
が多数寄せられました。またその後のグループに分かれての話し合いでも実際に不登
校の子どもを抱えておられる親の参加者が自分の境地についてなど活発な発言が出ま
した。
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